舌下免疫療法について
舌下免疫療法とは?
舌下免疫療法は、アレルギーの原因物質であるアレルゲンを含むエキスを舌の下に投与し、
少しずつ体内に吸収させていき、スギ花粉やダニのアレルギー反応を弱めていく治療法です。
この治療を毎日1回1つ服用することで、アレルギー症状をやわらげたり、長期にわたり症状をおさえることが期待できます。
舌下免疫療法のメリット
これまでは注射による治療が主でしたが、「通院が週に何回も必要」
「痛い注射をしなくてはならない」など、
患者さんにとって大きな負担になっていました。
舌下免疫療法は、痛みがなく自宅で服用できるなど、負担が少なく治療ができるメリットがあります。
治療薬について
<スギ花粉症>
- シダトレン スギ花粉舌下液(液体)
- シダキュア スギ花粉舌下錠(錠剤)
<ダニアレルギー性鼻炎>
- ミティキュア ダニ舌下錠(錠剤)
治療によって期待される効果
治療をすればすぐに効果があるものではなく、個人差がありますが、3〜5年と長い時間がかかります。
このことを理解し、根気強く治療を続けて行きましょう。
症状が完全に抑えられない場合もありますが、症状を和らげることはでき、アレルギー治療薬の減量が期待できます。
治療方法について
ご自身で薬を取り出していただき、舌の下に薬を置きます。お薬はすぐに溶けますが、唾液はすぐに飲み込まず、 お薬ごとに決められた時間保持した後、飲み込みます。 服用後5分程度は、うがいや飲食は控えていただきます。
舌下免疫療法が受けられない方
以下に該当の方は舌下免疫療法を受けることができませんので、ご注意ください。
また当院では、シダキュアスギ舌下錠とシダトレンスギ舌下液の処方については6月から11月までの開始です。
ミティキュアダニ舌下錠は1月から11月までに開始可能です。スギ花粉飛散期は開始できません。
- 5歳未満のお子様・高齢の方(シダキュア・ミティキュア)
12歳未満の方・高齢の方(シダトレンスギ舌下液) - 花粉症の原因がスギ花粉ではない方
- ダニが原因ではない方
- 過去にアレルゲン療法でショックを起こしたことのある方
- 重い気管支喘息の方
- 悪性腫瘍(がん)や免疫系の病気や重度の心疾患のある方
- 治療開始時に妊娠している方・授乳中の方
不明な点はお気軽にお問い合わせください。
副作用について
約5割の方に副作用が認められます。多くは口のかゆみや舌の下の口内炎などです。 翌日に良くなっていれば継続可能です。ほとんどは1ヶ月以内に落ち着きます。症状があるときはアレルギーの薬を服用します。
舌下免疫療法の治療までの流れ
Bスポット療法について
Bスポットとは?
「Bスポット」とは鼻の奥と、 のどの上の間の上咽頭部分のことを指します。 上咽頭は鼻につながっている耳(耳管開口部)に近い場所です。 "B"とは、鼻咽腔(びいんくう)の頭文字です。当院ではこの上咽頭に塩化亜鉛溶液を直接塗布するという、 Bスポット療法を取り入れております。
人が呼吸するうえで空気は必ずこの部分を通過し続けるため、空気中のホコリやウィルス・細菌がつきやすく、たびたび炎症を起こしやすい部位のひとつです。 この方法は、東京医科歯科大学の堀口申作先生が考案されたものです。Bスポット療法は、 免疫機能のポイントであるといわれています。 上咽頭の炎症は、急性期にはのどの痛みとして感じます。 耳管開口部に近いので、風邪のひきはじめにのどが痛いような、 耳の詰まった感じがすることがあります。その場合、上咽頭に炎症がおきていることがあります。
どんな治療法?
処置の方法は、塩化亜鉛溶液をしみこませた綿棒で鼻と口から上咽頭に直接塗布します。 1分程度で終わる治療となります。炎症がありますと少し出血することがあります。 これで炎症を確認します。ほとんど副作用はありません。 はじめて塗布したときは、かなりしみてヒリヒリ痛みます。 この痛みこそ炎症を起こしている部分にお薬がぬられているという証拠になります。 ヒリヒリが長い方で半日ほど続くことがありますが、そのような方ほど 長く治療を続けていただくとその後の治りが良かったと伺います。 炎症が強い場合、毎日でもできますが、1週間に2回・1〜2か月続けるとより効果があります。 この治療は、上咽頭という局部に対しての治療ですから、乳幼児から大人の方、妊娠中から授乳中の方にも安心して治療を受けていただけます。
かかりやすい病気について
耳あか
外耳炎
急性中耳炎
滲出性中耳炎
良性発作性頭位めまい症
メニエール病
突発性難聴
アレルギー性鼻炎(花粉症)
蓄膿症
溶連菌感染症
アデノウイルス感染症
アデノウイルス感染症はウイルスの種類により、流行する季節が異なります。その症状も高熱が続き、目が赤くなる(プール熱)や、扁桃腺が腫れて膿が出たり(扁桃炎)、下痢(胃腸炎)などの所見がみられます。結膜炎や嘔吐下痢症など症状も様々です。
当院では、綿棒で拭い取ったのどの浸出液を調べることによって、その場でアデノウイルスの感染を診断することができます。
扁桃腺炎
悪寒・発熱、のどの奥に腫れはないですか?
扁桃炎は細菌感染などにより引き起こされる炎症で、のどの奥にある扁桃が赤く腫れ、膿を持ったり、激しい痛みを伴います。
発熱や全身倦怠感もあります。急性炎症をたびたび繰り返す場合を「慢性扁桃炎」といいます。
重症化すると扁桃周囲炎や扁桃周囲膿瘍という重い炎症と合併することもあるので、早めに受診される事をお勧めします。